ロバスト最適化のためのランダマイズドアルゴリズム

ロバスト最適化とは、不確実性を含んだ最適化問題です。この問題を解くこと で、不確実な状況に左右されないような結果をもたらす意思決定を行うことが できます。しかし、この問題を現実的な時間で解くことは非常に困難です。そ こで、この問題を高速に解くための解法を開発しています。キーとなるアイデ アは、乱数を積極的に利用することです。これにより、得られる値の精度を保 証しつつ、高速に計算することができます。

航空機の姿勢制御を例としたシミュレーションを行いました。左図は標準的な 最適制御により姿勢制御する場合、右図はロバスト制御による場合です。各図 には制御対象の物理パラメータが公称値から変動した場合の姿勢の振る舞い (横軸は時間,縦軸は姿勢)を、いくつか重ね書きしています。パラメータが 変動すると振る舞いもばらつきますが、その変動の範囲や大きさなどの事前情 報に基づいて適切に制御則を設計すれば、パラメータが変動しても振る舞いの ばらつかない(ロバストな)制御系が得られます。

ネットワーク構造をもつ大規模システムのディペンダブル制御

再生可能エネルギーの大量導入に対応した安定性の高い電力システムの実現を目指し、ディペンダブル制御の基礎理論構築を行っています。電力システムは電力網と情報網から構成される多層的な大規模ネットワークであるため、再生可能エネルギーの導入に起因する局所的な変動や故障が、各層間の相互干渉により伝播し、大規模な影響を与える可能性があります。この種の問題に適切に対処し得るディペンダブル制御を実現するための方法論を、システム制御理論とディペンダブル技術の融合により構築することを目指しています。

※本研究は、JST CREST 研究領域「分散協調型エネルギー管理システム構築のための理論及び基盤技術の創出と融合展開」における研究課題「ネットワーク構造をもつ大規模システムのディペンダブル制御」(研究代表者:藤崎泰正)として取り組んでいたものです。

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